中学生時代から、顔の赤みと苦しみを抱え、妊娠を経てさらに悪化した例への治療アプローチ。

当院へは毎日、赤み治療の相談で全国から来院があります。今回お話させていただく患者様は20代後半の患者さんです。

お写真の使用ご快諾いただきまして、真にありがとうございます。勉強させていただきます。

「中学生の頃から顔の赤みがあり、1回目の妊娠中にさらに悪化して、最近はほてりや痛みまで出てきて辛い」とのご相談でした。

中学生から赤みがあるということは、元々の血管拡張傾向があったと推測できます。実際に血管拡張がおこり、小児期から赤みで悩んでいたという方は多くおられます。気づいたら顔が赤かった。さらに妊娠・分娩を経てホルモンバランスや血流の変化によって、さらに悪化した経過を疑います。

◆これまでの治療としては

他院で「Vビーム治療を12回治療後」。外用はロゼックスゲルを使用していたとのこと。「最近はロゼックスは効いている感じがない。また抗菌剤のミノマイシン(ミノサイクリン)は体質的に内服できない」とのことで、長期的に行き詰まりを感じておられました。Vビームを照射しても改善しない、もしくは改善が停滞するケースは、実臨床でもしばしば経験します。いつもお話しておりますが、Vビームは漫然と使用するだけでは効果を発揮しません。

当院での治療方針

診察の結果、この方は以下の特徴が見られた。

•①深層の血管拡張+表層に微細な血管が網目状に広がる。

• ②メイン両頬の広範に広がる紅斑、その中に丘疹・小さな膿疱が混在。ニキビダニを疑う所見

•③ 皮脂腺の活動が強く、毛穴の開大。皮膚バリアもやや不安定、軽度の皮膚炎も伴う

以上より、当院の治療の軸は・・・・↓

①ビブラマイシン内服に切り替え。

②イベルメクチン外用の導入。

今回ニキビダニ検出。

現状の赤みの原因はニキビダニ(Demodex)の増加関与が疑わしい。イベルメクチンはダニを直接減らすだけでなく、炎症の抑制効果も期待できる。イベルメクチンが使える場合はロゼックスよりも効果高い傾向がある(例外はあります)ニキビダニは当院で直接外来当日に検査が可能です。(ほとんどの方に顕微鏡を一緒にみていただいています 皆さま驚かれます。)

③ノーリス(IPL)の照射

浅層、深層の多層による細血管の拡張、紅潮。当院のノーリス 「ルビー」。いつも通り、服部の仕上げは血管の太さ、形態を確認しながらエキスパートモードで照射していきます。

④スキンケア 今回はエイチセルと途中からセレーガをスキンケアの柱とした。

細かな治療レシピは、私、もしくはスタッフから指導させていただきますが、それは患者さん毎に異なります。

治療開始とともに治療に反応を認め、赤みと皮疹はみるみる回復を始めた。写真はノーリス2回治療後、治療開始後2カ月です。

まず頬のブツブツした皮疹は速やかに回復。毛穴の赤みも改善しはじめ、皮脂の抑制も認めた。皮膚が綺麗になりはじめています。

ノーリスで4回治療後には非常に美しく、キメが細かな肌となり赤みが改善されました。さらに継続して治療を行えば安定した状態を保ちやすいと考えております。改善してとても喜ばれておられました。

◆まとめ

赤みの治療は、単にvビームを照射するだけでは改善が難しいケースがほとんどです。

この方のように、血管の深さが複層的で、炎症性の要素+皮脂環境も関わっている場合は、単一のレーザーや外用剤では限界があります。

私が日々意識しているのは、「いま残っている赤みは、何が引き起こしているのか」を見極め、その都度最適な手段を組み合わせることです。

ですので、治療は毎回の観察が大事で、それなくして治療は進みません。

必要に応じてノーリスのパラメーター、内服、外用療法・スキンケア・洗顔などの見直しを行います。

赤みの治療は一朝一夕ではなく、肌と血管の状態を見ながら少しずつ改善させるのが安全です。時には治療が長期にわたる場合もあります。

悩まれている方はぜひ一度ご相談ください。もっとも大事なのはお互いの信頼関係にあるといつも感じます。

ノーリスIPL 23100円~

副作用 皮膚炎 腫脹、赤み 色素沈着 熱傷など

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