ニキビ後の赤みも科学的に治す——【服部式】Vビームによる・ニキビ・血管・ポルフィリンへのアプローチ
当院でも多いニキビのお悩み。ニキビは、治まったあとも爪痕を残す疾患で、その時の悩みだけで留まらない。ニキビ(尋常性ざ瘡)は、皮脂の過剰分泌・毛穴のつまり・アクネ菌(Cutibacterium acnes)の増殖・炎症反応など、複数の要因が重なって起こる。
炎症が繰り返されると、真皮内の毛細血管が拡張する。それが皮膚表面から透けて見える状態を「炎症後紅斑(Post-inflammatory erythema=PIE)」という。
この赤みは血管由来であり、通常のケアや時間経過で対処しにくく外用や内服での治療では対処不能。
服部が考えるニキビ・ニキビ跡レーザー治療の最適解。
ニキビ跡の赤み、再発を繰り返すニキビには当院ではVビーム治療をおすすめしています。
なぜなら保険診療のみでは使える薬では限界があり、症状のコントロール不能な方が多数おみえになるからです。またイソトレチノインなど、内服での負担をかけたくない方にも向いています。
当院が提案するVビーム(にきび跡)治療は↓の3形態。(すべて自費扱い)
➀スポットVショット単発・・・1週間に1回、赤みの部位に単発ショット
②全顔ショット+赤みVショット(赤みある部分すべて)・・・全顔とスポットショットは別設定で2周
③ニキビ跡Vプログラム(全12回)
当院独自のプログラムで、服部が考案。全顔ショットと、スポットショットを1週間に1回計12回かけて行います。短期集中で結果を出すため5か月間で12回をおこなう条件が付きます。Vビーム設定は肌に負担をかけすぎず、結果がでる設定を考案、実証しています。
ニキビ跡Vプログラムを選択された患者様の症例をご紹介
この患者様はニキビを治したい、肌がきれいになりたいという一心で当院に通院していただいている方です。ニキビ跡Vプログラムに通院される方は数多くおみえになります。まさに赤み道場。



保険診療にて治療を行っておりましたが、「繰り返すニキビと、ニキビ後の赤み」が気になり、今からなんとかしたいと「ニキビ跡Vプログラム」を開始。1週目は全顔照射でシャワーのように照射、その後スポット径を切り替えて、すべての赤みにスポット照射をします。



↑3枚 ニキビ跡プログラムを開始して5回終了後。結果が見え始め、新しいニキビの発生を抑えながら赤みの改善が見られ始める



↑3枚 10回終了後、さらに赤みの改善が見られ、周りの皆から肌が綺麗になった、白くなったと言われるように。12回終了後、2周目のプログラムを開始されました。実際2周目に入る方が多く、計24回行うとさらに綺麗になります。また、肌の張り感、艶感も格段にあがります。
Vビームは血管治療の第一選択
Vビーム(Vbeam)は、服部が論文執筆に使用した、595nmの波長をもつ医療用レーザー(Pulsed Dye Laserパルスダイレーザー)で、「血管内の酸素化ヘモグロビン(オキシヘモグロビン)」に選択的に吸収される性質を持ちます。
この波長の光が拡張した血管に吸収されると、「選択的光熱融解(Selective photothermolysis)」という原理により、拡張した血管を穏やかに収縮・破壊させることができます。
毛細血管拡張症などに使用しますが、血管の赤さを標的とするために、ニキビ後紅斑にはとてもよい適応となります。
その結果、
→炎症後の赤みを軽減し、肌の色むらを整えてくれる
アクネ菌と「ポルフィリン」へ作用
アクネ菌(C. acnes)は代謝の過程でポルフィリンという光感受性物質を産生します。このポルフィリンは可視光(およそ400〜700nm)の領域に複数の吸収帯を持ち、特に青色光405nm付近に強い吸収ピークを示しますが、Vビーム波長595nmもそのポルフィリンの吸収帯に含まれます。
このためVビーム照射によってポルフィリンが光エネルギーを吸収すると、アクネ菌の活動を抑える可能性があるのです。
つまりVビームは「血管の赤み」と「アクネ菌の再燃」の2つに同時にアプローチできる数少ないレーザーなのです。
臨床報告からわかる効果
実際に、韓国の皮膚科医Yoonらの報告(J Dermatol Treat, 2008)では、595nmのVビームを数回照射することで、炎症性ニキビ病変が平均25〜50%減少し、90%の患者で赤みが改善し、ニキビ後紅斑や炎症後の赤みに対してVビームが有効であったと報告。
照射直後に一時的な赤みや膨疹が出ることはありますが、表皮の損傷はほとんど少なく、ダウンタイムが短い。当院では年間数千人に照射を行いますが、しっかりとした設定で行えば、熱傷などのリスクもほぼ皆無。
この安全性の高さが、服部が安心して皆様に提供できる理由です。また、服部考案したニキビ後Vプログラムは、毛細血管拡張症で使用するスポット径、パルス幅、フルエンス(パワー)と異なり、紫斑形成などはさせないため、ダウンタイムがほぼなく、非常に好まれる治療となっています。
肌を整え、自信を取り戻すために
Vビームによって赤みがおちつき、炎症が再燃しにくくなると、肌は本来の透明感を取り戻します。
「もう治ったのに赤い」「ファンデーションで隠すのに疲れた」
そんな方にとって、Vビームはあなたの救世主になれる可能性があります。人生の時間はかけがえのないもの。
一刻も早くあなたの自信をとりもどすために、服部形成外科が経験からお勧めし、エビデンスのある治療です。
詳細
➀単発Vショットは1750円、2ショット以降650円と、とても治療をうけていただきやすい価格に設定しています(初診の場合は3300円が追加でかかります)
②ニキビVフェイシャル(全顔ショット+赤みVショット)1回25900円 2カ月以内23900円。ニキビ後プログラムには通えない人にお勧め。
③全顔ショットと、スポットショットを1週間に1回計12回かけて行います。連続して照射をしていかないと結果につながりにくいため、5か月間で12回をおこなう条件が付きます。価格は149000円ですが、通常料金に換算すると、250000円~(20か所以上のPIE場合)となりますので、集中して結果を出したい方にはお勧めできる内容となります。
参考文献
- Ashkenazi H, et al. (2003) Eradication of Propionibacterium acnes by its endogenic porphyrins after illumination with high intensity blue light FEMS Immunol Med Microbiol, 35(1):17–24.
- Kawada A, et al. (2002)J Dermatol Sci, 30(2):129–135
- Yoon HJ, et al. (2008)Acne erythema improvement by long-pulsed 595-nm pulsed-dye laser treatment: a pilot study J Dermatol Treat, 19(1):38–44.
- Cho SB, et al. (2009) J Cosmet Laser Ther, 11(3):176–177.
- García-Morales I, et al. (2010) Actas Dermosifiliogr, 101(9):758–770.