2023年9月15日 日本美容外科学会(横浜)にて発表登壇致しました。
2023年9月15日、パシフィコ横浜でおこなわれた日本美容外科学会JSAPSにて発表をおこないました。
演題は私がメインで使うピコレーザー「ピコウェイ」使用した症例報告で題目は
「532nm 294ps laser または730nm 246ps laserにて照射した老人性色素斑50例のPIHの発現率と有効率の比較検討」
マニアックな話にはなりますがレーザーに精通している方であれば気になりますね。
もともとピコレーザーは刺青除去目的から開始したレーザー。シミなど色素斑に対しての使用実績はまだまだ浅いです。
「シミ取り目的で、ピコ秒の2種類の532、730波長をあてたとき、どっちが優れてる??」ということですね。
まずは吸収曲線をどうぞ。
人間の体表の色を規定するのは2種類。メラニンの茶、酸化ヘモグロビンの赤。
メラニンは日焼けの茶色、ヘモグロビンは赤血球の赤色ですね。
レーザーを皮膚に充てると「メラニンもしくは血液中の酸化ヘモグロビン」に吸収されます。
吸収したターゲットは破壊にされますが、532nmはメラニンにも酸化ヘモグロビンにも吸収が高く、
730はメラニン吸収が532に劣るが、酸化ヘモグロビンに吸収されにくいことが↑表から読み取れます。
簡単にいうと730のほうが効率よくメラニン優位で作用する。臨床の実際はどうか?
シミの原因になるメラノゾームの熱緩和時間は50ナノ秒(10のマイナス6乗秒)なのでそれ以下の時間で熱を照射しないと、選択的にメラノゾームを破壊することにはなりませんが、ピコレーザーはその条件を満たし、当院のピコウェイはピコレーザーの中でも業界最短の短さを誇ります。
メラニンを破壊する作業を考えるとスペック的には最強マシンなわけです。
臨床的な感覚ですが、1ショットのメラニンへの破壊の強さは明らかに532が強い。レーザー照射総熱量はあきらかに730nmのほうが大きいのに
メラニンの破壊は弱め。そのためちょっと工夫して、今回は532nm4mm0.5J の1パスと、730nm3mm1.8J の3パスで比較を行いました。結果は以下です。
PIHについては730がやや優秀。とはいってもPIHしっかり出ます。50%弱。
有効率はどちらもやはり優秀。有意差はありません。やや有効以上であればどちらも96%と驚異的。
シミの治療は難易度が高いことが多く、人間にとって美肌を目指す上で永遠のテーマです。
PIHの発生を抑制しようと思えば、弱めの治療になってしまう可能性が高く、効果の高い治療をおこなえばPIHのリスクが高くなる傾向にあります。
私の経験上は532nmのほうが730nmに比べて高度なメラノゾームの破壊がおこりやすいですが、PIHのリスクも高い。
色など経験によって使い分けることを行っています。
今はシミ治療において、色々なアプローチが可能となっています。当院のマシンを使用した治療としては
ピコウェイ(ピコレーザー) Qスイッチルビーレーザー、IPL(ノーリス)などがあります。
重要なのは「医療側がマシンを使いこなせるレーシングドライバーのようになれるかです。」
レーシングドライバーが運転する車は、一般人が運転する車の挙動とは比べ物になりません。同じ車か?と驚愕します。
同じ機械、治療でも使用する側によって効果は全く異なるということです。
H(はっとり)メソッドは、「最も効果的でありながら、安全」をモットーに、最良を常に考察するメソッドです。
当院スタッフと。最近勉強の機会が増えてきていいですね。
さて、そろそろ依頼のあった論文作成していかないと。やることが多すぎで多忙ですが毎日楽しんでいます。
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