ADM治療は今はこれが最適。時とともに綺麗になる。

ＡＤＭ＝後天性真皮メラノサイトーシス。しみに詳しい方はお聞きになったことがあるかもしれません。皮膚科医でも、慣れないうちは、診断も治療もなかなか難しい疾患の一つ。一般的には両頬に出現してくるブルー～ダークグレーの色素斑。当院に治療にこられる方はとても多く悩む方が多いと実感する毎日です。

ADMはやや皮膚の真皮に位置する色素斑であり、浅めのシミをレーザーの照射法では良くなりません。

ＡＤＭは肝斑とよく間違われ、Qスイッチルビーレーザーなんて照射した際は照射部位が真っ黒に変色して大変な事になります。そのような相談も受けてきましたし、実際に目にしました。診断できていないのにレーザー照射してしまうクリニックもありますのでご注意ください。シミや、色素斑の相談は、顔の色素斑治療に精通した医師に相談されることをおすすめいたします。

今回写真提供Okをいただいた治療例をご紹介させていただきます。

上記は初診時のお写真で2021年4月。40代女性の方で、とても長い間、消えない色素斑で悩んでおられました。診察してすぐにADMとわかります。色素の出現の仕方と部位、発症年齢がポイントです。詳細な問診と視診が正確な治療を行う上で重要です。

ADMと判断したら治療はレーザー治療1択です。使える治療はQスイッチルビーレーザー694nm、ピコウェイYAGの730nm、1064nm、アレキサンドライト755nm。一般的なIPLいわゆる光フォト治療では効果がありません！無効です。

今回のケースについてはQスイッチルビーレーザーで初期治療を開始しました。Qスイッチルビーで治療を開始するメリットは、一回でかなり色素の破壊がすすむことです。しかしリスクもあります。重度の色素沈着を起こす可能性です。個人差はありますが、治療前よりも濃い状態が1年程度続くことがあります。これらを十分に説明したうえで治療に望まないといけません。（出た場合は対処法もありますけどね。）

上記は1回目レーザー後3カ月です。今回の治療例につきましてはQスイッチルビーレーザーにて大きな色素沈着を来すことがありませんでした。２回目からはピコウェイの1064nmを使用してレーザー治療をおこないます。うすくなったものをさらに仕上げていくイメージです。

治療開始後1年2回レーザー後（2022年4月）初回のQスイッチルビーはやや控えめ照射とし、1064nmでの照射はほぼマックスパワーで照射していくのが私のメソッドです。

上記は2023年4月　2年経過で、4回レーザー後です。かなりうすくなってきています。ピコレーザー1064nmで照射時は強めですが、1064nmでの治療は経験上ほとんど色素沈着を残さないのが特徴です。532nm 730nmは色素沈着出る可能性あります。

上記は2023年11月治療開始後2年7カ月　レーザー5回照射後です。見違えるほどの改善が確認できます。この治療のポイントは、治療の最初に長期の治療計画を共有すること。短期で治らないからとあきらめてしまうのはもったいないです。今回については本当に真面目にかかさず来院されていただけた結果がでています。色素斑の治療は焦ってはだめですし、その後の人生、肌のケアは長く継続すべきものです。

最初からピコウェイ1064nmで攻めるもの手です。色素沈着がでにくい。しかし治療までの時間がさらに長期にかかる傾向が強いです。その他、730nmのピコレーザーも有効。当院採用はありませんが、755nmのアレキを使用するのもよさそうです。（私はピコウェイの７３０nmがあるので使用していません）

最後に治療前　治療後をならべてみます。